紅葉の季節になると、行きたくなるのが京都。
もちろん京都は秋に限らず、桜の頃も新緑の頃も、真夏だって素晴らしいのですが。
一人旅が多い筆者も、今回は友人を誘っての旅になりました。
定番の東山地区、嵐山・嵯峨野地区を1泊2日で回ったのです。
ただ、事前によく考えれば防げたことですが、思わぬアクシデントで、大幅なプラン変更になってしまいました。
そして魅力的な京都ならではの落とし穴も。
筆者の反省をこめて、お話しします。
「欲張らず、行けるところまでにしておこう」では逆効果だった
京都は見どころがたくさんあるため、せっかく行くのだからあそこもここも見たい、と思いがちです。
でもシニアの旅行には、当たり前ですが余裕を持った計画を立てないといけませんよね。
思ったほど歩けないかもしれないからです。
筆者たちも絶対〇〇まで行こう、という計画ではなかったのですよ。
それなのに、どうして…。
筆者たちは、余裕を持った計画を立てたつもりが、実は単なる無計画に過ぎなかったのです。
見どころが続くので、つい歩いてしまう
車は東山五条交差点近くの駐車場に停めました。
初日のプランは清水寺から八坂神社へ。高台寺は外して、できれば祇園白川あたりまで、でした。
20代の頃は銀閣寺までは歩けたんですけれどね。
さすがに今それは無理なので、欲張らずに行けるところまでにしておこうと話していました。
高台寺は前に行ったときに、しっかり山だった記憶があるので、初めから避けたのです。
そうして配慮したつもりでしたが、清水寺から産寧坂・二寧坂、八坂の塔のある小径や石塀小路など、これらすべてが風情のある見どころ。
目と鼻の先でもあるので、つい歩いてしまうのです。
まだまだ若い新米シニアは、自分の体力の現状がわからず「これくらいは」と頑張ってしまうことがあるんですね。
…歩こうと思えば歩けてしまうし。
八坂神社まで来たら、祇園白川・巽橋。円山公園を抜けて知恩院・青蓮院、南禅寺横の、アーチ形の水路閣・永観堂…。
泊りがけなら、夜のライトアップもいいなあ。
(おーい、欲張らずにって言ってなかった?)
あるいは渡月橋から天龍寺、竹林の道、常寂光寺・二尊院・落柿舎・祇王寺…。
―どれだけの歩数歩くことになるのやら。
実際には初日に祇園白川まで歩けたものの、さすがにライトアップはパスです。
車に戻って嵐山、渡月橋近くの宿まで移動しました。
ところが2日目、渡月橋や天龍寺の庭園を見て、竹林の道を抜けたところで友人がギブアップしてしまったのです。
ランチを済ませたらどっと疲れが出て、もう歩けないとのこと。
ええっ、本命はこれからよぉ
私は友人が現役バリバリ、フルタイムの介護士で、私より少し若いこともあって、そこまで心配していませんでした。
でもシニアになると、体力の個人差は大きいとも言います。
今回の場合、靴のせいもあるかもしれません。
ともあれ「行ける所までにしておこう」は、実際には「行ける所まで行ってみよう」になってしまい、結果的に初日に体力を使い切ってしまったようでした。
そういえば前に一緒に行った伊勢志摩では、神宮周辺の他は車での移動が多かったので、思ったほど歩き回った訳ではなかったことに思い至りました。
その時のように最初から目的地をもっと離して、その間は車なり市バスなりを利用すれば良かったと思います。
友人は雰囲気の良い喫茶店でまったりしたい、筆者はこの先をもう少し見たいということで、話し合いの結果、1時間だけめいめいに行動することになりました。
筆者は常寂光寺・落柿舎を見、祇王寺を入口だけ見て引き返し、喫茶店で友人と合流してそのまま岐路に着いたのです。
初日に欲張って歩き過ぎなければ、もう少し先まで二人で行けたと思うので、その点が悔やまれました。
あらかじめ喫茶店などの場所は把握しておくと良い
ランチのための飲食店は予約が安心ですよね。
喫茶店の予約は無理なので、現地で「近くの…」と検索してお店を発掘しても面白いのですが、シニアは引き返したり横道にそれたりがツライかも。
喫茶店もあらかじめ何軒か把握していると、休憩の目安にできて良いです。
友人がギブアップした時も、この先に喫茶店があるとすぐ判断できたので、その点は良かったです。
東山・嵐山・五条坂・産寧坂、行き先は山や坂です
いまさらですが、東山・嵐山は「山」です。
東山地区の、きれいな石畳や石段が真っ先に思い浮かぶためか、これを忘れそうになります。
清水寺に至る道は、五条坂や茶わん坂などの坂道です。
そこから高台寺に行こうとすると、産寧坂や二寧坂の石段を降りなくてはなりません。
京都の市街地は基本的に平地(盆地)ですが、紅葉の名所である東福寺や清水寺・高台寺の見事な庭園の足元は、山そのものでした。
嵯峨野も、紅葉の名所は多くが「山際~山の中腹」だったりします。
常寂光寺は、見事な紅葉でしたよ。
でも山門・仁王門をくぐると急勾配の長い石段があるのです。
まあ石段を登らずに、途中から横の道を行っても良いのですけれどね。
こんな風に、お寺の庭園などは山の姿をそのまま活かして造られていることが多いので、目的地を1・2か所に絞っても、結構な山歩きをすることになるようです。
紅葉目的の京都旅行なら履物に注意
友人が早期にギブアップした理由はもう一つありました。
履きなれた風ではありましたが、彼女の靴はローヒールの革靴でした。
低いとはいえヒールだとやっぱり疲れるんですね。素材も関係するかもしれません。
京都は山だったとはいえ、さすがに登山靴やトレッキングシューズまではおすすめしません。
でも紅葉目的で歩き回るなら、靴はスニーカー等を考えてみても良さそうです。
筆者は普段からスニーカーなので、もう少し彼女に合わせてセーブすべきでした。
平地を選んだり、乗り物をうまく利用する等の工夫を
山ばかりではなく平地にある円山公園や南禅寺・東寺・大覚寺などを選んだり、時期がずれますが下鴨神社の糺の森でも良かったかもしれません。
ただ北野天満宮は平地にあるように見えて、御土居のもみじ苑への進路に従い、凄い高低差のある所をこわごわ降りた覚えがあります。(写真を撮ってる余裕がなかった)
川まで降りる必要があったからですね。
写真は別の道で、これでも緩やか。
先に書いたように目的地同士を離し、市バスなどをうまく利用するような工夫もできると良いです。
嵯峨野のトロッコ列車も楽に紅葉が見られて人気ですよね。
まとめ
ベテランシニアになると無茶はしなくなりますが、新米シニアはまだまだ若いので、無茶とは気づかず頑張ってしまうことがあります。
「前はこれくらい歩けた」からといって、今も歩けるとは限りません。
高齢になると、短期間でも筋肉の衰えは驚くほど早いです。
日頃からよく歩いて脚力を衰えさせないことが一番ですけど。
ということで、新米シニアが紅葉目的で京都に行く時、気を付けるポイントは
①スニーカー等の歩きやすい靴をオススメ
②無計画にならないよう、目的地を明確にする
③休憩のできる喫茶店などをいくつか把握しておく
④目的地を平地にしたり、適度に乗り物も利用して体力の消耗を防ぐ
でした。
ぜひ楽しい旅を。
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