お福茶って?
お正月や節分、大晦日などに、健康長寿や無病息災を願って飲むお茶です。
お福茶に使われる昆布はよろこぶ、梅干しはおめでたい松竹梅の梅、豆はまめまめしく働くという意味がこめられている、縁起ものです。
高齢者施設でのイベントに添えて、お出しすると喜ばれますよ。
もちろん個人的に楽しんで味わっても美味です。
節分とは
節分は本来「季節を分ける」意味で、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ前日をさし、一年に4日ありました。
中でも立春は冬から春に変わる、一年の始まりの重要な日だったため、現在ではこの日を節分と呼ぶようになったのです。
はるか昔の大晦日には、宮中での年中行事として鬼(疫鬼・疫神)を追い払う追儺の行事がありました。
旧暦の大晦日(12月30日)と言えば、現在の1月下旬~2月上旬のことなんですよ。
これが民間での節分行事の原型とも考えられています。
今でもお寺などで節分に追儺の行事がありますね。お元気な高齢者に聞くと、ご存知の方も多いです。
宮中行事で豆をまくことはありませんでしたが、いつの頃からか民間では鬼を追うために、熱く炒った豆を鬼にぶつけるようになりました。
豆まき後は自分の数え年の数だけ豆を食べると、1年間病気にならず、健康でいられると言われています。
80歳の方は80粒?
歯が丈夫なら食べられなくもないけれど…。
それよりも美味しいお福茶で健康になりましょう。
美味しくて栄養的にも良いお茶です。
節分のお福茶は豆まきの時の福豆を使えば良いですが、お正月のお福茶は黒豆と若水を使います。
若水とは元旦に一番に汲んだ水のことで、古くは立春に一番に汲んだ水のことを言いました。
お正月のお福茶は特に大福茶と言われます。
お福茶の作り方
作り方にはいくつかの方法があります。
私が若い頃に煎茶教室で教わったのは、大豆を炒り、材料を全部急須に入れて熱いお湯を注ぎ、豆や昆布、茶葉がふやけて美味しくなった頃に注ぎ分けるだけ。
簡単でしょう?
材料 (湯飲み茶わん4人分) 大豆(炒る) 12粒~好みの量 塩昆布 適量 梅干し 4個 煎茶葉 人数分 熱湯 人数分
これだと、豆の数や梅干しの形などを気にしなくて良いので、気楽です。
豆の数は好みの数でOK。多めの方が美味しいです。
豆は必ず炒ったものを使って下さいね。
豆まきで余った福豆をお福茶にしても良いですね。
湯飲み茶わんに茶葉以外を入れて、煎茶を注ぐという方法もあります。
見た目が良いので目でも楽しめますが、味としては最初の方法の方が、美味しいです。
豆の数が1人あたり3粒というのは、縁起の良い数だから。
多い方が美味しいので、奇数で5個でも良いです。
もう一つ、ちょっと手をかける方法は
材料 (湯飲み茶わん4人分) 大豆(炒る) 12粒 昆布 10㎝ 梅干し 4個 粉山椒 少々 水 3カップ
1.鍋に材料の水と昆布を入れて15分ほどおく
2.柔らかくなったら取り出して細く切り、結び昆布を作って鍋に戻し入れる
3.大豆をフライパンに入れ、中火で軽く色づくまで1~2分空入りする
4.昆布を戻し入れた鍋を火にかけ、静かにひと煮立ちさせる
5.器に昆布・梅干し・豆を入れて、熱々の出汁を注ぎ、粉山椒をふる
梅の味がでるまでしばらく置いてからお召し上がりください。
お福茶の起源
一説には平安時代村上天皇の頃、疫病の流行時に空也上人が十一面観音を彫り、京の町を曳いて回った際に供え物としていたお茶を飲んで多くの病人が回復したという話から来ているそうです。
病床の村上天皇が、空也が開祖した六波羅蜜寺の観音の供え物にしていたお茶を飲んだところ、回復したという話もあります。
今でも六波羅蜜寺では、正月3が日の行事として伝承されているそうです。
何だかありがたいお話ではありませんか。
コロナ禍の今こそ、是非にでも飲みたいものですね。
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