初めて梅花藻を見たのは、今から数年前、滋賀県醒ヶ井宿でした。
小さな花が集まって咲く様子がかわいく、百日紅のピンクもあしらわれて、とてもきれいでした。
京都府・福井県・岐阜県でも見られる所があると聞いたので、今年、私には行きやすい岐阜県内の何か所かを訪ねてみました。
梅花藻の見ごろは6月~9月中旬と聞いたのですが、2022年はどうだったのでしょうか。
同じところで毎月1度、写真に残しました。
来年以降の参考になれば。
あくまでも素人の記録なので悪しからず、です。
梅花藻とは
日本固有種のキンポウゲ科の多年草水草で、水温が14~15℃の清流にしか咲きません。
水深30~50cm程度の深さと適度な流れが必要で、流れに沿って細い茎を1mほど伸ばします。
種子以外にも、茎の節から不定根を出して川底に定着したり、切れた所から次の芽が出たりして増えます。
初夏から初秋にかけて、1~1.5㎝くらいの梅の花のような白い花を、水中や水面に咲かせます。
冷水を好むので、北日本では水路や河川に広く生育しているそうですが、西日本では上流や湧き水のある所に限定されることが多いとか。
絶滅危惧種に指定されている地域も多いです。
岐阜県は山間部が多く、冷水にも恵まれていると思うので、恐らくここにあげた所以外でも、見られるのではないでしょうか。
飛騨一之宮 常泉寺川
飛騨高山の市街地から車で10数分のところにある、臥龍桜や飛騨一宮水無神社で有名な高山市一之宮町です。
水無神社の前の常泉寺川の梅花藻は、市の天然記念物として地元の方々が大切にしておられます。
少し前のサイトでは、川幅いっぱいと言っても良いほどの梅花藻の葉が見られる写真がありました。
けれども2020年の7月豪雨で、かなりの株が流されてしまったそうです。
それでも地元の岐阜新聞によると、2022年は5月下旬に咲き始め、岐阜新聞Webの6月10日付で見ごろを迎えたとありました。
6月21日はほとんど見当たらなかった
常泉寺川は、醒ヶ井宿の地蔵川に比べると川幅が広いです。
初めて訪れた6月21日は、残念ながらどこに咲いているのか全くわかりませんでした。
水中に葉だけの群生は見られるので、雨のせいで細い茎が切れて、流れてしまったのかもしれません。
したがって写真もどこを撮ってよいかわからず、とりあえず群生していそうなところを。
写真は水無神社の少し下流になります。
7月29・30日 これは見ごろ?
これは30日朝7時です。
水無神社のすぐそばでも咲いていました。
川の淵にかたまっているのが見えます。
川の真ん中あたりにもちらほら。
他にも葉の群生はありますが、それら全部が咲いているわけではありません。
茎も、もう少し長く繁っていて欲しいのですが…。
上の写真は前日19時、宿が近くなので下見ついでに散歩に出た時のものです。
鴨の群れが、それはそれはたくさんいたので、思わず撮りました。
彼らも夕食の時間なんでしょうね。
あちらこちらにグループがいて、全体ではいったいどれくらいいるんでしょうか。
川の中の緑色はもちろん梅花藻です。
左の写真では、川の真ん中にも花が見られます。
カモとバイカモ、なんちゃって。
8月25日 見ごろです
定位置では咲いている面積が広がってきました。
定位置以外の場所でも、咲いているのがわかります。
ただ、川の真ん中の方はやはり切れてしまうのか、面積が小さいところがあちこちに見えます。
水の中にも咲いているのですけれど、わかりにくいですね。
9月15日 なんとピーク⁉
9月下旬にはもう終わりかもしれないと思い、その前にと訪れました。
ところが予想を良い方に裏切ってくれて、なんと15日はピークでした。
前回から20日後の、この繁りようはどうでしょう。
定位置の広い範囲で咲いており、それ以外でも茎が長く育っているではありませんか。
この分ならまだしばらく咲いていそう。
株もこの調子で、増えてくれると良いですね。
良かった良かった。
郡上八幡 郡上鍾乳洞前
八幡町から和良町に入る手前にある郡上鍾乳洞からの湧き水が、庭園の池になっています。
現在鍾乳洞は休業中のようですが、お庭は拝見できます。
6月22日 ちらほら咲き始め
茎が短いですね。
常泉寺川同様、切れてしまったのでしょうか。
それでもちらほら、咲いています。
池の縁にはびっしりとユキノシタが満開です。
7月29日 まだちらほら
葉や茎は繁っています。
花はどうしたことでしょう。まだちらほら。
8月25日 少し花が増えた
写真が白っぽいのは霧です。
常泉寺川にいたころは曇りでしたが次第に雨が降り出し、ここに着いた時には上がったものの、霧がたちこめました。
花は少し増えた程度。
9月14日 見ごろ
花がかなり増えました。
前日は風が強かったのか、落ち葉が多いです。
各務原市 河川環境楽園オアシスパーク
各務原市川島町の河川環境楽園内にあるオアシスパーク。
東海北陸自動車道の川島PAからも、一般道からも入れます。
オアシスパークと駐車場は無料、水族館のみ有料です。
訪れた時は夏なので、お子さん連れの良い水遊びの場になっていました。
ここの大滝のエリアに梅花藻が植えられています。
木曽川を挟んで対岸はもう愛知県ですから、冷水と言えるかどうかわかりませんが、よく繁っていますね。
多分人工的に造られたものですが、流れを作ってあるので、生育可能なのだと思います。
梅花藻は流れのない所、静水では育たないそうです。(水槽の中では無理)
6月・7月は存在自体を知らなかったので、写真はありません。
8月3日 見ごろ
もう茎も伸び、たくさんの花をつけています。
梅花藻のある大滝は割と広いので、あちらこちらに群生しています。
どこも、花いっぱいでした。
9月13日 ピーク
すごい育ちようではありませんか。
特に左の写真の場所がびっくり。
常泉寺川と同じように、ここでも8~9月が伸び盛りの季節でした。
まとめ
地蔵川の華麗さとはまた違った、すがすがしさ、可憐さがありましたね。
清水でしか咲かない梅花藻は、なんといっても貴重です。
梅花藻の花は通常6~9月が見ごろと言われています。
茎が細いので切れやすく、訪問前の降雨で流れてしまうこともあるので一概には言えませんが、上の3か所では9月が一番たくさんの花が見られました。
可能性としては9月以降も見られそうな気がします。
また伺うことがあれば、ご報告しますね。
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