郡上市白鳥町にある阿弥陀ヶ滝に行ってきました。
滝というのはみな緑豊かで気持ちの良いものですが、阿弥陀ヶ滝は特別に神秘的でした。
「水の源に神が住む」
神域から巡って来る雪解け水は滝となり、清流長良川の流れとなり、めぐりめぐってふもとの植物や動物をはぐくみます。
神と仏が同じく尊いとした神仏習合の時代、滝に阿弥陀如来が現れた時には、それはそれは感動したことでしょうね。
私たちもちょっと体感してみませんか。
ホントに阿弥陀様に会えるかもしれません。
有料・無料の駐車場MAPも載せましたので、最後までご覧ください。
滝までの道
東海北陸自動車道白鳥ICから約15分です。
駐車場に車を置いて坂を上って行くと、右手にタイ料理のお店、その先の左側に目印の赤い橋が見えてきました。
橋のすぐ左上に流しそうめんのお店があるので、夏はその案内の横断幕もにぎやかです。
さて、橋の前から右に行きましょうか、左に行きましょうか。
今回は阿弥陀堂を通る、地図の上側の道を行きます。
写真の石段が入り口です。
ここを上がった所からつづら折りの急な道がしばらく続きます。
そのあとはなだらかなので、しばし頑張って下さい。
途中の山側に湧き水の落ちる小さな池があって、小さな延命地蔵さんがいらっしゃいました。
道は狭くなったり、手すりがあったりなかったり。
俳人花ノ本聴秋の歌碑があります。明治~昭和初期の方だそうです。
「虹を吐いて 夏よせつけず 瀧の音」
ここ阿弥陀ヶ滝は虹ととても関係が深いんです。
それはまた後ほど。
阿弥陀堂がありました。
賽銭箱がしまってあるのであげられないと思ったら、横に「奉賛箱」というのがありました。
祈祷木に願い事を書いて奉納箱に入れるとご祈祷をしていただけるらしいですよ。
そうだ、ここは修験道のお堂でした。
祈祷木=護摩木といって良いと思います。
1本に1つの願い事―「無病息災」とか―につき300円は破格の料金です。
大きな寺社で大金を払わなくても、ご利益はあるんですから。
滝が見えてきました。
落差60mで、そんなに大きいという印象がないのですが、まっすぐで美しい滝だと思いました。
阿弥陀如来がおごそかに現れそうな雰囲気。
日本の滝100選、岐阜県の名水50選に選ばれています。
江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎も描いているんです。
修行場だった阿弥陀ヶ滝
阿弥陀ヶ滝は、奈良時代、白山を開山した泰澄によって発見されました。
寺院を建立する際に、夢に現れた女神のお告げにより発見したそうです。
当初は長滝と名付けられ、その瑞祥により、建立された白山中宮長瀧寺の名前の由来にもなりました。
阿弥陀が滝と改称されたのは、室町時代後期に長瀧寺の僧道雅が、ここで護摩行を行なったところ阿弥陀如来の姿が浮かび上がったため、以後阿弥陀ヶ滝と呼び名が付いたということです。
滝はかつての神官・僧侶・修験者たちの修行場であり、白山に登拝する人たちもその道中に拝み、身を清めた場所でした。
今も毎年7月の最終日曜日のみそぎ祭りで、たくさんの人が禊をされています。
滝の右手に洞窟があり、洞窟の中で道雅法師が護摩を焚いて修行を行なっている時に、阿弥陀如来の姿が浮かび上がったのでした。
伝説では窟屋の中のある一つの洞窟は、石徹白の白山中居神社の左側にある窟屋に通じており、道雅法師が生きている間はいつもこの洞窟を利用していたとのこと。
のちの時代に人々が出入りするのには大いに苦労したため、洞窟の入り口をふさいでしまった、と言い伝えられています。
洞窟内には菩薩像などの仏像が鎮座しているようなので、ぜひ見たかったのですが、どこから行けるのかわかりませんでした。
滝を裏側から見られる「裏見の滝100選」にも選ばれているようなのです。
下の写真は左側の洞窟です。
ここに通じるらしい入り口は「立ち入り禁止」として、閉鎖されていました。
ここが閉鎖ということは、右側も?
虹色の阿弥陀如来にお会いしたい
滝は東を向いていて、滝壺から上がる水煙の中に、虹が立つ時があるそうです。
まさに「虹を吐いて」なのです。
早朝に朝日を背にして立つと、水煙に自分の影が映り、影の周りがぼんやりと虹色に縁どられることがあるとか。
まるで阿弥陀如来に出会った気分になれるのではないでしょうか。
筆者が訪れた日は薄曇りで、午前中とはいえお昼に近かったので、残念ながら無理でした。
十分な下調べが必要だったということですね。
でも何枚か撮った写真のうちの1枚に、かすかに虹のような光が見えます。
下の写真の右側です。わかりますか?
一度阿弥陀如来さんにお会いしたいですね。
早朝の日差しと気象条件、立ち位置が揃うと、もっとはっきりした虹が現れるそうです。
阿弥陀如来さんにはお目にかかれませんでしたが、滝壺のすぐ上の所には、お不動さんがいらっしゃいますよ。
日陰で見にくいのですが、下の写真のように手前の人物と比べても、意外に大きいのでした。
阿弥陀如来さんやお不動さんにお目にかかれなくても、場所がすでに霊地なので、ふところに抱かれているようなもの。
良いことがあると信じましょう。
ランチにおすすめ
入り口でご紹介した流しそうめんの「阿弥陀ヶ滝荘」さんはこちら。
シーズン中はかなり混むらしいです。この日もほら、平日ですけど長蛇の列。
好みですが、私は野菜やお肉も食べたかったので、気になっていたタイ料理の「タラート」さんへ。
なぜここにタイ料理、と一瞬思いましたが、考えてみるとタイは仏教国でした。
そのご縁(?)ということで。
グリーンカレー、夏にぴったり。
全然辛くありません。チキンも柔らかで野菜もたっぷり。
とてもおいしかったです。
店内も素敵でした。
アクセス・駐車場案内
駐車場は道の駅に置いてあったリーフレットが参考になります。
濃いめグレーが無料駐車場、紫色が有料駐車場です。
阿弥陀ヶ滝は長滝白山神社と白山中居神社の中間点にあります。
時間があれば、この3か所を巡ると、なかなか感動的なので、おすすめです。
良かったら 【白山禅定道・美濃馬場】衝撃でした|長滝白山神社・長滝寺 も読んで下さい。
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