毎年梅雨に入るか入らないか頃、スーパーの店頭に青梅が出回ります。
そういえば近頃は「入梅(にゅうばい)」という言い方をしないなぁ、と気がつきました。
子供の頃にはよく聞いた記憶があるので調べてみたら、暦の上の言葉なんですね。
今年のカレンダーの6月11日に、ちゃんと「入梅」と書いてありました。
青梅を見かけると、嬉しくなってしまうのは私だけでしょうか。
梅酒に始まり、梅シロップ、梅の甘酢漬け、ピクルス。
自分好みに減糖・減塩で作っています。
さらにそれらを使った、体に良い美味しい料理をご紹介しましょう。
6大栄養素に表示されていない青梅の栄養成分と効能
梅の栄養成分を食品成分表から抜粋しました。
同じように健康に良いと言われているりんごと比べても、梅の栄養成分は優れていますね。
果実にしてはカロテンが多いです。
ただ、りんご100gはだいたい1/2個なので、まあ食べられる量ですが、梅100gは8個くらいあります。
なかなか梅のこの量は食べにくいですよね。
そう思うと、摂取できているのはりんごと大体同じくらいでしょうか。
意外にもビタミンCは、そんなに多くありません!
レモンなら100㎎、いちごは62㎎あるんですけれども。
実は梅の健康成分は、6大栄養素では表示されていないんです。
食 物 繊 維 (g) | ナ ト リ ウ ム (㎎) | カ リ ウ ム (㎎) | カ ル シ ウ ム (㎎) | マ グ ネ シ ウ ム (㎎) | 鉄 (㎎) | 亜 鉛 (㎎) | β カ ロ テ ン (㎍) | ビ タ ミ ン E (㎎) | ビ タ ミ ン C (㎎) | |
生青梅 | 2.5 | 2 | 240 | 12 | 8 | 0.6 | 0.1 | 220 | 3.3 | 6 |
りんご | 1.9 | — | 120 | 4 | 5 | 0.1 | 0.1 | 22 | 0.4 | 6 |
七訂日本食品標準成分表より100あたり ナトリウム7600㎎は食塩19.3ℊに相当します
酸っぱいのはビタミンCではなく、クエン酸等の有機酸
梅がとても酸っぱいのは、クエン酸が大部分を占めるから。
今更ですが、体に良い成分はいわゆる6大栄養素以外にもあるということです。
クエン酸の効能
疲労回復・夏バテ予防・カルシウムの吸収を促進・老廃物の排出・エイジングケア・美肌効果
体液をアルカリ性にしてくれるため、血流改善や尿酸値低下にも効果
加熱した梅肉エキスにはムメフラールが発生する
青梅に含まれるクエン酸と糖が、加熱によってムメフラールという体に良い成分を生み出します。
生の青梅や、梅酒や梅干しには存在しません。
この点ではレンジで梅シロップや梅ジャム等が良さそう。
梅酒もそのまま飲むだけでなく、料理に使って加熱するともっと良いのかもしれませんね。
長時間煮こまないとダメなのかな?
ムメフラールの効能
血液サラサラ、血栓・動脈硬化の予防
他にもたくさんの効能が
整腸作用・便秘解消・食欲増進・抗菌作用・食中毒予防
健康に良い梅を上手に摂りたい—減塩料理に利用も
「減塩のために酸味を利用する」というのを聞いたことはありませんか?
酸味は塩味を引き立てるので、塩やしょうゆが少量で済みます。
梅も料理の減塩に使えるのではないでしょうか。
自家製ならではの、メリットです。
今年は梅干しではなく、シロップや酢漬けにしてみましょうか。
注意:健康的なはずの青梅には毒がある
生の青梅はアミグダリン等の毒があるため、そのままでは食べられません。
梅酒や梅干しに毒がないのは、砂糖や塩・焼酎に漬けたり天日に干したり、加熱することで毒が消えるからです。
熟していくことでも、毒はなくなっていきます。
でも途中でうっかり味見、なんてかじらないでくださいね。
基本的には硬い青梅は、たっぷりの水に浸け、2時間ほどあく抜きをします。
黄熟の南高梅は、むしろ水に浸けない方が良いそうですよ。
今年私が使うのは、知人からいただいた、地元の採りたてのものなので必須かな。
あく抜き後に竹串でヘタを取り除き、水気を拭き取って下さい。
以後の作り方は、これらが済んだものとしています。
料理にいろいろ使える、甘過ぎない梅シロップ
シロップにする場合は、傷があっても傷の部分を取り除けば使えます。
びんの消毒は、酢又は焼酎でびんの内側を拭けば良いです。
急がない梅シロップ
材料 青梅 500g 氷砂糖 300g
作り方
1.消毒した広口びんに氷砂糖と梅を交互に入れて密閉する
3.冷暗所に1~2週間おき、時々瓶をゆすって氷砂糖を溶かす。
氷砂糖が溶けきったら完成
発酵しやすいので、保存するなら梅を取り出し、冷蔵庫で。
長期保存の場合は、ホーロー等の鍋でシロップを静かに煮立て、冷ましてから冷蔵庫で保存して下さい。
レンジですぐに梅シロップ
急がない梅シロップは作る時は手間いらずですが、待つ時間が必要。
レンジなら作る時に手間が必要ですが、その日に使えます。
材料 青梅 200g グラニュ糖 120g 水 大さじ3
作り方
1.梅を木べら等で押さえて割る(ヒビが入る位)
2.耐熱ガラスのキャセロール等に、分量の砂糖と水を入れて、500Wレンジ1分加熱して溶かす
3.梅を入れ、2分加熱した後、混ぜ合わせて5分おく
4.再度1分ほど加熱して、様子見で加熱時間を追加
倍くらいの水分量になったらレンジから出して冷ます
5.1時間おいて梅を取り出して完成
レンジなので、破裂や吹き出しに注意して下さい。
シロップを取った後は、甘過ぎないジャムに
レンジで梅シロップの梅の実は、すでにジャム状態に近いので、ほぼ種を取って混ぜるだけです。
以下は急がない梅シロップの梅で作る場合。
梅酒を作った後の梅を使うのもおすすめです。
材料 急がない梅シロップの梅 適量 水 適量
1.シロップを作った後の梅の実に切れ目を2~3か所入れる
2.ホーロー等の鍋に入れてひたひたの水を加え、弱めの中火で煮る
3.果肉が柔らかくなったら、マッシャーでつぶしながら種を取る。
4.焦がさないように煮つめる
煮詰め過ぎ注意。冷めると固まるので、多少ゆるいくらいでOKです。
梅の酢漬け
梅を酢だけで漬けておけば、ほんのり梅の香りのする酢ができます。
味がついていないので、普通の酢と同じように使えます。
甘酢漬け等にすると、完成後は時短にもなり、なかなか重宝しますよ。
甘酢漬け
酢の物やすし飯にそのまま使える割合の、シンプルな甘酢漬けです。
和風・洋風どちらでも。
材料 青梅 200g 氷砂糖 200g 酢 600cc
1.消毒した広口びんに梅と氷砂糖を交互に入れ、酢を注ぐ
2.冷暗所に保存し、時々びんをゆすって氷砂糖を溶かす
青梅のピクルス
梅の実がそのまま美味しく食べられるのと、ピクルス液の風味が良く、様々に利用できます。
我家ではシンプルな甘酢漬けよりこちらをよく使うので、今年は増産しました。
材料 青梅 500g 粗塩 30g 氷砂糖 200g 酢 350cc タカノツメ 1本 ローリエ 1枚
1.ボウルに梅と粗塩を入れ、ゴロゴロと塩をすり込みなじませる
2・木べら等で押さえて割り(ヒビが入ればOK)、ボウルに戻して2時間ほどおく
3.出てきた水は捨てる
4.消毒した広口びんに梅と氷砂糖を交互に入れ、タカノツメとローリエを加えて酢を注ぐ
5.時々瓶をゆすって氷砂糖を溶かす
6.実は1~2週間で食べられる
梅酒も自家製の配合で
梅酒も、あると重宝します。
昔ながらの作り方は、梅1㎏に氷砂糖1㎏、アルコール度数20度以上の焼酎1升(1.8ℓ)ですが、今ではあまりに甘いのは困るので、かなりの減糖で作っています。
減糖梅酒
材料(作りやすい分量) 青梅 1㎏ 氷砂糖 100~300g位 ホワイトリカー 1.8ℓ
1.消毒した広口びんに梅と氷砂糖を交互に入れ、ホワイトリカーを注ぎ入れる
2.冷暗所に保管し、時々瓶をゆすって氷砂糖を溶かす。
3.3ヶ月くらいから飲める
梅を入れたままの方が、風味は良いです。
おけばおくほど熟成するので、3年物の梅酒はブランデーの味、とも言いますよ。
2年以上置く場合は、1年程度で梅を取り出して下さい。
さて、たくさん作りましたが、全部同じような工程でしょう?
材料を揃えておいて、次々にできてしまいますので簡単。
青梅は今の時期にしか手に入りません!
ぜひ頑張って作ってみて下さい。
次のページでは、いよいよメイン料理やサブに使ってみましょう!
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