夏の終わりから初秋にかけて、各地でぶどう狩りが始まっています。
たわわに実る風景の中で、みずみずしいぶどうを味わうのは、至福のひとときですよね。
最盛期は8月・9月ですが、地域によっては7月から11月まで可能のようです。
筆者の居住する中部地方では7~8月はデラウェア、8~9月シャインマスカット、9月ベリーA・スチューベン・ナイアガラ・巨峰、10月マスカットベリーAが収穫期になっています。
ぶどうは追熟しないため、収穫した時がその房の一番甘い状態なのです。
そのため、樹上で完熟しているものを、上手に選んで収穫して下さいね。
甘くておいしいぶどうは、粒になっているので気軽に口に入れられ、つい食べ過ぎることもありそう。
昨年筆者はぶどう狩りで、驚くべき体験をしたのです。まさかあんなことが起きるなんて。
個人差か? 食べ方か? 皆さんもどうぞご注意ください。
まずはぶどう狩りの持ち物
ぶどう狩りに行くなら、まずは持ち物。
ハサミやカゴなどは貸してもらえると思いますが、少なくとも下の1~3は持参必須。
1.ティッシュ・ウェットティッシュ類
2.飲み物
熱中症対策に、お茶や冷水などを持参しましょう。 冷水の方がぶどうの味に影響せず良いかも。
3.防虫スプレー・虫刺されの薬
防虫スプレーは入園する前にしましょう。
4.レジャーシート
椅子テーブルなどが準備されている所が多いですが、混み合っている場合など、念のため。
5.帽子・日傘類
園内はぶどうの葉の下になりますが、入園前の道中など必要に応じて。
美味しいぶどうの見分け方
肝心なのは見分け方。
1.表面にブルーム(白い粉のようなもの)が付いているもの
2.粒の大きさが揃っているもの
3.果皮に張りがあるもの
4.色が濃いもの(緑は黄に、紫は黒紫に)
ぶどう棚では、紙や袋がかかっていることが多いです。
上にかかっているだけなら見やすくて良いですが、全体が袋でおおわれている場合は、スタッフの方に外して見ても良いか、確認しましょう。

ぶどう狩りのシステムはどれが良い?
多くの場合行かれる前に調べられると思いますが、予約制かそうでないか、食べ放題かそうでないか、時間制限の有無はどうか。
予約不要のところも予約のみのところもあるし、食べ放題でも制限時間のあるところや、無制限のところがあります。
園によっていろいろなので、園のシステムとこちら側の希望が合えばそれでOK。
これまでの経験によると、食べ放題の時間無制限と言っても、物理的に食べられる量は時間制限のある時とそんなにも変わらないようです。
時間無制限のメリットは、ピクニック感覚で、農園で非日常を楽しめることかもしれません。
ファミリーにとっては、時間を気にすることなく過ごせて良いのではと思います。
園によっては、食べ放題か持ち帰りか、どちらかを選べるところもありました。
個人的には、筆者は昨年一度食べ放題で失敗したことがあって、それ以後は持ち帰りオンリーにしてるんですけどね。

空腹でぶどうばかり食べたらエライことになった
たまたま筆者が伺ったのは車で15~20分位で行ける近場で、予約不要、現地支払いの食べ放題、時間無制限のぶどう園でした。
料金は当時1,600円、お土産付きです。
なかなか良い条件ではありませんか?
朝食後けっこう時間はたっているけれど、まだそれほどおなかもすいていない、10時頃でしたか。
ぶどう園で食べたのは大きめのベリーAと中くらいのスチューベン1房ずつで、皮も簡単に剥けたのでポイポイ口に入りました。

で、お腹もいっぱいになり、おひとり様は他にすることもないので、1時間ほどで終了して帰宅しました。
正確な時間は覚えていませんが、そんなに経ってはいないと思われます。
多分1時間前後?
すでに自宅に戻っていたので助かったのですが、ゲップが出始め、あれよあれよという間に胃の膨満感と嘔気を感じ、あわててトイレへ。
急に頭も脚もふらつき、ドアのノブにすがるようにして中へ。
「何これ!?」でしたよ。
ぶどう園では、収穫したぶどうの他に何も食べていませんが、この状態ではもう吐くしかなく、胃からはシャバシャバの液体のみ吐き出されました。
嘔吐後しばらくしたら体調は元に戻りましたが、どうなることかと思いましたね。
そこで思ったのが「まるでお酒を飲み過ぎた時みたい」。
体内でワインができる⁉
調べてみたら、体内で糖分が発酵する病気があるらしく、酩酊症とか自動醸造症候群というものらしいです。
でもこれは珍しい病気だそうで、発症した患者さんは日常の生活に支障が出るほどらしいのですね。ひええ。
筆者の場合はすぐに収まり、それもこの一度だけのことなので、たまたま同じような状況に陥ったのだと思いますが、というか思いたい!です。
ちなみに、ぶどうはただ潰して放っておくだけで、ぶどうについている酵母が糖分を発酵させるので、勝手にワインができるそうなのです。なんと!
その過程で炭酸ガスも発生し、ぶどうが良く熟して甘いほど、アルコール度数も高いんだそうです。
「早稲田ワインアカデミー」さんの記事を参考にさせていただきました。
いろいろ考え合わせると、筆者は胃の中で発泡性ワインを作ってしまったようなのですよ。
こんなことあり? …あるんですねぇ。
思うに、一度にたくさんのぶどうを食べたために消化が追い付かず、胃に留まっている間に発酵を始めてしまったのではないでしょうか。
酵母って胃酸にも強いらしいんです。
さらに、すきっ腹にお酒状態で急激に吸収したのかも。
何はともあれいろんな意味で、症状が出る前に帰宅していて良かったー(冷汗)。
空腹で余計にこうなったのなら、ぶどう狩りは何か軽食を食べてから、または可能なら食べながらの方が良いかもしれませんね。
ランチ持ち込みOKの所も多いのは、こういうことがあるからかも。

ぶどうの栄養と注意点
ぶどうには糖質やビタミン、ミネラルなど、人体に欠かせない栄養素の他、抗酸化作用のあるポリフェノールなど有益な成分が含まれています。
いろいろな種類のビタミン・ミネラルも含まれていますが、ぶどうの栄養成分として特筆するならこの4つでしょうか。
①ぶどう糖
ぶどうの糖度は15~20度程度で、近頃人気のシャインマスカットは20-23度ほどあるそうです。
いちごが8~15度、メロンが13~17度位なので、ぶどうは群を抜いて甘いのがわかりますね。
ぶどうの糖質の半分はぶどう糖で、脳がエネルギーとして使えるのはぶどう糖だけです。
吸収も早い、重要な成分なのですが、その分血糖値も上がりやすいので注意。
②果糖
果糖は同量のぶどう糖より2倍甘く感じられるという特性があります。
多くが肝臓で代謝されるため、血糖値にはあまり関与しません。
そのため満腹感もあまり感じないので、食べ過ぎる可能性があります。
③ポリフェノール
抗酸化作用が強い成分で、活性酸素などの有害物質を無害化してくれる作用があります。
アントシアニンは網膜や視神経などの血流を促し、目の疲れや視力回復などの効果が期待できます。
レスベラトロールは血管拡張反応を改善し動脈硬化を防いだり、脳の血流を増加させることで、アンチエイジングや認知症予防の効果が期待できます。
④有機酸
ぶどうにはリンゴ酸・酒石酸・微量のクエン酸といった、有機酸が含まれています。
ぶどうらしいさわやかな酸味のモトで、疲労回復などに役立つ成分です。
リンゴ酸はりんごから発見された成分で、体内の炎症を抑える効果があります。
酒石酸は皮膚を弱酸性に保ってくれたり、腸内の善玉菌を増やしてくれる成分です。
クエン酸は筋肉細胞や脳細胞のダメージを修復し、疲労を回復してくれる効果があります。

他にも、カリウムや食物繊維などの有益な栄養成分がありますが、ぶどう100gのうち水分が81.7g、16gが糖質と、やはり糖質が多いのです。
筆者を酔っぱらわせたのも、酵母がこのたくさんのぶどう糖と果糖をアルコールに変えてしまったのが原因と考えられます。
食べ過ぎにはいろいろと注意が必要ですね。
まとめ
ぶどう狩りは夏の終わりから初秋にかけて楽しめる、美味しいイベントですね。
ぶどうは追熟しないので、樹に生っている時に完熟しているものを選びましょう。
ぶどう狩りのシステムは園によっていろいろですが、園のルールとこちら側の希望が合えば、それが一番お得。
食べ放題でも、物理的に食べられる量は時間制限のある時とない時で、そんなには変わらないです。
時間無制限のメリットは、ピクニック感覚で農園でのんびりと、非日常の時間を過ごせるということかもしれません。
ただ、ぶどうは糖質が多いので、ダイエット中や糖尿病とその予備軍の方は要注意です。
血糖値を上げやすいぶどう糖と、満腹感を感じにくい果糖が多く含まれるということは、なかなかオソロシイことかも。
また、食べやすいからといって、空腹の状態でぶどうばかり食べていると、筆者のようにお腹の中でワインができてしまう可能性もあるので、空腹時は避けた方が無難かもしれません。
少なくとも、消化が追い付かないほど一度にたくさん食べるのは、止めといた方が良さそうですよ。
楽しいぶどう狩りにしましょうね。

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