豆が体に良いと、よく言われますね。
豆の中でも大豆は豆腐や納豆・味噌など、いろいろな形に加工され料理されています。
おからもその一つですが、食物繊維や多くの栄養素が豊富で、なおかつ手ごろな価格なのは、嬉しい限り。
おからと言えば真っ先に思い浮かぶのがおから煮。卯の花という呼び方もあります。
白い花を咲かせる植物の卯の花になぞらえた、優雅な呼び方ですね。
「卯の花」は上品な仕上がりのイメージですが、筆者が作るのは庶民風の「おから煮」。
おから煮のために一から煮汁を作るのも良いのですが、煮魚の余り汁でおからを煮るのは、昔からの生活の知恵です。
和風のかぶと煮ができるなら、洋風だってできるはずと思って作ったのが、アクアパッツァとブイヤベース、そしてそこからの洋風おから煮です。
新鮮な真鯛のアラとおからが同時に手に入ったので、これはもう、作るしかないということで。
そしておから料理も煮物だけではありません。
いろいろな方法で調理して、食べる機会を増やしたいですね。
おからの食物繊維はごぼうの2倍!
おからは大豆から豆乳を搾った、残りかすではありますが、なんといっても食物繊維が豊富。
食物繊維はその特性から、高血圧や高血糖、高コレステロールの予防・対策が期待できます。
おからの食物繊維の総量は、ごぼうの約2倍!
食物繊維だけでなくタンパク質や、カリウム・カルシウムなどミネラルも豊富です。
これらは大豆丸ごとよりはかなり減ってしまいますが、それでも野菜より多く、魚並みなんですよ。
ゆで大豆 | 豆 乳 | おから(生) | ごぼう(生) | |
たんぱく質(g) | 14.8 | 3.9 | 6.1 | 1.8 |
水溶性食物繊維(g) | 0.9 | 0.2 | 0.4 | 2.3 |
不溶性食物繊維(g) | 5.8 | 0 | 11.1 | 3.4 |
カリウム(㎎) | 530 | 190 | 350 | 320 |
カルシウム(㎎) | 79 | 15 | 81 | 46 |
マグネシウム(㎎) | 100 | 25 | 40 | 54 |
鉄(㎎) | 2.2 | 1.2 | 1.3 | 0.7 |
亜鉛(㎎) | 1.9 | 0.3 | 0.6 | 0.8 |
食物繊維の目標値が摂れる料理!血糖値・コレステロールが心配な方に も読んで下さい
和風真鯛のかぶと煮の煮汁でおからを煮る
まずは和風のかぶと煮。
和風かぶと煮のレシピと作り方はこちらをどうぞ
かぶと煮の汁で煮るおから煮
和風真鯛のかぶと煮で鍋に余った汁を使います。
味をみながら好みの濃さに、調整してください。
材料 (作りやすい分量) おから 50g ちくわ(縦半分の薄切り)1本 にんじん(粗みじん) 10g れんこん( 〃 ) 10g 鯛のかぶと煮の汁 適量 水 適量 ねぎ(小口切り) 少々
1.にんじん、れんこんをレンジ600Wで40秒加熱する
ちくわを縦半分に切ってから薄切りにする
2.おから・ちくわ・根菜を鍋に入れ、鯛のかぶと煮の煮汁と必要な量の水を加えて、混ぜながら汁が少なくなるまで煮る
3.ねぎを加え混ぜ、軽く煮て完成
鯛の洋風かぶと煮とおから煮
アクアパッツァもブイヤベースも、今回は鯛でしたが、他の魚でもかまいません。
ニジマスのアクアパッツァも美味でしたよ。
アクアパッツァの煮汁でおからを煮る
鯛のアクアパッツァのレシピと作り方はこちらをどうぞ
和風の時と同様に、アクアパッツァの汁でおからを煮ます。
材料(作りやすい分量) おから 50g にんじん(いちょう切り) 10g 玉ねぎ(薄切り) 30g アクアパッツァの汁 70㏄位 ミニトマト(4つに切る) 3個~
1.野菜はアクアパッツァの汁に残っていれば、それを利用する
なければ材料をレンジ600Wで40秒加熱、又は炒めてもOK
2.材料を全部鍋に入れ、ミニトマトをつぶして、焦げないよう混ぜながら汁が少なくなるまで煮る
鯛やあさりのうまみにトマトのうまみも加わって、薄味ですが美味しいです。
ちょっとうまみが足りない場合は、同じ魚系であるかつおだしの素を少し加えてもOKです。
写真には彩りにバジルを乗せました。
ブイヤベーススープでおからを煮る
ブイヤベースは基本的には様々な魚や貝、甲殻類でとったスープです。
濃厚でとてもおいしいスープなので、余ることはほとんどないかも知れませんね。
作り過ぎた時のリメイクにでも。
鯛のブイヤベースのレシピと作り方はこちらをどうぞ
材料(作りやすい分量) おから 50g ブイヤベーススープ 70㏄位 タイム又はオレガノ 1枝(パウダーでも可) こしょう 少々
1.おからにブイヤベーススープとタイム、又はオレガノを加えて煮る
シンプルに、具なしで煮てみました。ブイヤベーススープを作った時に野菜が入っています。
写真はイタリアンパセリを彩りにしました。
メイン・サブおから料理いろいろ、でも一度に食べ過ぎないように
さすがにおからだけではメインにはなりにくいですよね。
でも、肉に含まれる脂質を減らしながらタンパク質や食物繊維を摂りたいとか、かさ増ししたい、という場合にはおからは強い味方。
混ぜ込めば、メイン料理にもできるのです。
サブおかずにはサラダや和え物はいかがでしょう。
ケーキもできてしまいますよ。
ただしこれらを同時に食卓に載せるのは、さすがにおすすめしません。
1品くらいなら大丈夫ですけど、メインとサブが全部おから料理だと困ることも。
胃や腸で膨張してお腹が張ったり胸やけに似た症状が起こったり、便秘解消のはずが腸の水分を吸い取ってしまいかえって便秘になったり、逆に下痢になったりということがあるからです。
何事も食べ過ぎは良くありません。
おから入りミートローフ
材料 (9×19×6㎝の型) 合い挽きミンチ 250g おから 100g ★玉ねぎ(みじん切り) 1/2個 ★にんにく(みじん切り) 1/2片 卵 1個 塩 小さじ1/2 こしょう 少々 ナツメグ 少々 サラダ油 少々
1.サラダ油で★をしんなりするまで炒め、冷ましておく
2.1とミンチ・おから・卵・塩こしょう・ナツメグを混ぜ、型に入れて空気を抜く
3.200℃オーブンで20分焼き、180℃に下げて20分焼く
4.粗熱を取り、切り分ける
今回はハンバーグより脂質の少ないミートローフにしました。
脂質が気にならなければハンバーグも良いですね。
他にもミートソースやコロッケなど、ミンチと混ぜ込むと使いやすいです。
おから入りチキン南蛮
材料(3~4人分) 鶏ムネ肉 1枚(250g) おから 80g おろししょうが 小さじ1/2 片栗粉 大さじ3 溶き卵 1個 ★しょうゆ 小さじ1 ★酢 大さじ1 ★酒 大さじ1 ★砂糖 大さじ1 〇ゆで卵 1個 〇玉ねぎ(みじん切り) 1/8個 〇マヨネーズ 大さじ3 〇牛乳 大さじ1/2 〇パセリ(みじん切り) 少々
1.鶏ムネ肉はそぎ切りにしてから小さめに切る
2.小鍋に★を合わせておく
3.〇を合わせてタルタルソースを作っておく
4.鶏肉・おから・おろししょうがを混ぜ、一口大にまとめて片栗粉をまぶし、溶き卵にくぐらせて180℃油で揚げる
3.小鍋の★を煮立て、揚げたての肉を入れてからめる
4.器に盛り、タルタルソースをかける
タルタルソースの牛乳はヨーグルトでも良いですし、らっきょうを刻んで加え、その甘酢を替わりに入れても良いです。
ミンチでなく1枚肉を切って使うことで、食べ応えのある食感をキープできます。
しいたけのおから肉詰め
材料(2人分) ★豚ミンチ 100g ★おから 25g ★しょうゆ 小さじ1/4 ★酒 小さじ3/4 ★塩こしょう 少々 ★片栗粉 小さじ3/4 玉ねぎ(みじん切り) 1/8個 しいたけ 12個 片栗粉 少々 大根おろし 適量 青じそ(ちぎる) 2枚 ポン酢しょうゆ 適量 サラダ油 小さじ1 バター 10g
1.しいたけの軸を切り落とし、みじん切りにする
2.玉ねぎとしいたけの軸をポリ袋に入れ600Wレンジで1分加熱して冷まし、★と合わせてこねる
2.しいたけの傘の裏に茶こし等で片栗粉を薄くふる
3.肉だねを押さえるようにしてしいたけの傘の裏にのせ、肉だねの上にも片栗粉をふる
4.フライパンにサラダ油を熱して肉の面を焼き、焼き色がついたらバターを加えてしいたけ側も焼く
5.青じそと大根おろしを混ぜてのせ、ポン酢しょうゆをかける
おから入りお好み焼き
材料(1人分) 小麦粉 30g おから 30g ★かつおだしの素 小さじ1 ★キャベツ(細切り) 1枚 ★ねぎ(小口切り) 1/2本 ★にんじん(細切り) 少々 ★しょうが(みじん切り) 1片 牛乳 70㏄ 卵 1個 天かす 適量 お好み焼きソース 適量 かつお節 適量 マヨネーズ 適量 青のり 適量 サラダ油 少々
1.小麦粉とおからの量を測り、★を加え混ぜる
2.牛乳を加えよく混ぜて、10分ほど寝かす
3.天かすと、卵を割り入れて混ぜる
4.フライパンにサラダ油を熱し、生地を流し入れて弱め中火でフタをして5分焼く
5.上下を返して、フタをして弱め中火で5分じっくり焼く
6.フタをとって再度返して少し焼き、皿に取ってお好み焼きソースを塗り、マヨネーズ、かつお節、青のりをトッピングする
春菊のおから和え
材料(作りやすい分量) 春菊 1/2束 おから 50g しょうゆ 小さじ1/2 ★練りごま 大さじ1 ★しょうゆ 小さじ1/2 ★みりん 小さじ1
1.おからをレンジ600Wで2分加熱し、冷ます
2.春菊もさっと洗ってラップに包み、600Wレンジ2分加熱し、冷ます
3.春菊の水気を切ってざく切りにし、しょうゆ小さじ1/2をふって混ぜておく
4.すり鉢でおからを擦り、★を加えてさらに擦りまぜる
5.春菊を加えて和える
おからは本当は、レンジ加熱よりもゆでる方が滑らかになり、味もすっきりします。
ここでは簡単に作りたいので、レンジで。
以下のサラダもそれ式です。
ゆでた時は目の細かいザルか、筆者はコーヒーフィルターにあけて、水切りをします。
きゅうりとちくわのおからサラダ
材量(作りやすい分量) おから 50g きゅうり(輪切り) 1本 塩 適量 ちくわ(輪切り) 2本 マヨネーズ 大さじ2 こしょう 適量
1.きゅうりに塩を振りしばらくおいて水気を絞る
2.おからをレンジ600Wで2分加熱し、冷ます
3.おから、きゅうり、ちくわをマヨネーズとこしょうで和える
マヨネーズの半量をヨーグルトにしても良いです。
リンゴとおからのサラダ
材料(作りやすい分量) おから 50g りんご(いちょう切り) 1/2個 レタス(小さくちぎる) 1枚 ★マヨネーズ 大さじ2 ★粒マスタード 小さじ1 ★こしょう 少々 アーモンド(砕く) 適量
1.おからを600Wレンジで2分加熱し、冷ます
2.りんご、レタスと合わせ★で和える
3.アーモンドを散らす
おからケーキ
材料(直径12㎝) おから 100g ベーキングパウダー 小さじ1 サラダ油 20㏄ 砂糖 20g 卵 2個
1.ボウルに砂糖と卵を入れて泡立て、サラダ油、おから、ベーキングパウダーを加えて混ぜる
2.サラダ油を薄く塗った型に流し入れ、180℃余熱後のオーブンで20分焼く
こちらは糖質カットと食物繊維が期待できます。
砂糖控えめのホイップクリームとミントの葉を添えれば、おしゃれなティータイムが楽しめそう。
まとめ
おからの食物繊維はごぼうの2倍で、タンパク質やミネラルは魚並みに豊富です。
食物繊維はその特性から、高血圧や高血糖・高コレステロール等の生活習慣病の予防・対策に効果が期待できます。
体に良いおからを、いろいろな調理法で、食べる機会を増やしたいと思いました。
●和洋おから煮は和風の煮魚や洋風の煮魚(アクアパッツァ・ブイヤベース)の煮汁で煮る
●料理の仕方でメインのおかずやサブおかず、スイーツにもなる
●一度に食べ過ぎると、お腹が張ったり、便秘や下痢になったりするので、注意
さあ、いろいろな調理法でいただきましょう。
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