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【信楽陶芸村にて】忍者も作っていた?信楽焼の陶芸体験しました

信楽タヌキの置物
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信楽焼で有名な滋賀県甲賀市の信楽にやって来ました。

一度はやってみたかった、陶芸!

きっかけは三重県の関宿を訪れた際、その近辺は焼き物が有名と知ったことでした。

関宿のすぐ近くに伊賀焼の本場と信楽焼の本場があるのです。

関町から伊賀に行くのも信楽に行くのも同じような距離。二等辺三角形を成しています。

あの有名な信楽が、こんな近くだったなんて。

陶芸教室はいくつかありましたが、旅の日程と教室側の都合もあったため、今回は「信楽陶芸村」さんで信楽焼の手びねりの体験です。

興味ついでに言うと、伊賀・甲賀って両方とも忍者の里ですよね。

忍者も隠密活動の傍ら、日常生活では農民や商人などをしていたとか。

忍者も焼き物を作っていたのかな…。

おっと、脱線しそう。ちゃんと焼き物に集中しましょう。

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手びねりのやり方を教えてもらう

お世話になる「信楽陶芸村本店」さんの駐車場に車を停めると、ちょっと小高い所からタヌキの置物がずらりとこちらを見ています。

信楽陶芸村

右の建物の1階が教室になっていますした。

筆者が訪れたのは午後2時頃でしたが、その直前には団体さんが作陶しておられた様子。

信楽陶芸教室

道具はこれだけです。

手回し式のロクロは向きを変えやすくするためのもので、電動式のように難しくはありません。

信楽道具

粘土は下の塊で1kg。これを使って器物1つで体験料1,650円。

陶芸体験としてはお値打ちな金額でした。大きさはかなり大きくても、1つは1つなので大丈夫だそう。

作品を2つ作るなら+追加料金が発生します。

お茶碗の下にある円い足、台のようなもの(高台と言います)は後日先生が削って作って下さるとのことでした。

簡単な作り方の説明後、最初だけ先生が見本を見せて下さいました。

①粘土少量を丸めてつぶし、竹の棒で円く切り取り底を作る。

 高台の分を見越して底は1.5㎝位の厚みに。

②粘土適量を転がして細いひも状のものを作る。

③円形の底の縁にひも状の粘土を乗せ、巻くように積む。つなぎ目はならす。

④指の届くうちに底とのつなぎ目や積み上げた壁をならす。

⑤壁を作りたい厚さに伸ばす。指の跡を模様のように残しても面白いかも。

⑥取っ手を付ける場合もつなぎ目は自然にならす。

 水を付けるとならしやすいが、割れやすくなるので控えめに。

手順を追うことに集中してしまい、しばらく黙々と作っていましたがちょっと待って。

粘土

筆者はシンプルなマグカップを作るつもりでした。

ところが細くしたつもりの粘土が実は全然細くなく、思ったよりかなり分厚かったのです。

このままではマグカップというより、昔のお寿司屋さんの大きな湯呑みか、それ以上。

今ならまだ作り直せます。

で、巻いていたひも状の粘土を外し、底の円形をもっと小さくしました。

再度もっと細いひも状粘土を積み上げ、あまり深くならないうちに(指が底に届くうちに)壁を薄くならしていきます。

ここでもはた、と気がつきました。

焼くと縮むとはいえこれでもまだ大きくないか?厚みもまだ結構あります。

壁をならして薄くしていくうちに、口も広がってきてしまったし。

やっと実感できたのは、粘土1㎏というのはかなり大きなものでも作れる量だということ。

普通のマグカップなら、いただいた粘土の大きさに捉われないで、かなりの小ささと薄さにしないといけなかったのです。

粘土、1kgも要らない!

隣に写っている水の入ったカップ(これはちょっと小さめ)を見てもわかりそうなものでしたが。

それに、積んだ粘土を弄り回しているうちに、重みなどで下がって来るので下の方は分厚くなりがちです。

イコール、重くなるということ。

観光客の遊び体験が主眼で、あまり細かいことは言われず、まずは自由に作ることを目的とした教室のようでした。

後で知ったことですが、いたずらに口が広がらないように、壁をならす際にもテクニックがあったのです。

まあ旅先での楽しい体験がメイン。初めての体験で細かいテクニックのことを言われるより、土に親しめたのが良いかなと。

筆者のも取っ手を付けずに花瓶にすることにしました。又は自宅でスーパーのお寿司なんかをいただく時の湯呑みでも良いかも。

焼き上がりに1か月半~、忘れた頃に届きますとのこと。

それもまたサプライズ的で面白そう。

完成が楽しみです。ドキドキ。

信楽手びねり

先に作られた方々の作品が乾かしてありました。

そばには例のタヌキの置物も。

乾燥中

信楽焼と伊賀焼が似ているのは土が同じだから

信楽焼も伊賀焼も、琵琶湖周辺の同じ粘土層の土を使用しているために雰囲気が似ており、元々は同じようにすり鉢やつぼなどが焼かれていたそうです。

桃山時代になって茶の湯(茶道)文化が花開くと、それまで中国の唐物しかなかったお茶道具に、信楽や伊賀などの素朴で力強い和風の焼き物が取り入れられました。

その後は明らかに滋賀焼と伊賀焼とが区別される作品が焼かれるようになったとのことです。

茶人をはじめ当時の文化人に親しまれ、珍重されてきた様子。

桃山時代と言えば、織田信長や藤吉郎を思い出しますね。場所も安土に近いし。

江戸時代には茶壷や土鍋・燈明具・神仏具、明治時代には火鉢や酒器、昭和期には盆栽鉢などが作られ、戦時中は陶製の手榴弾や地雷等も作られたのだそうです。

それぞれの時代の要請ですね。

信楽と言えばよく知られているのが、編み笠をかぶって徳利と通帳を下げたタヌキの置物ですが、これは明治になってから一人の陶芸家が作ったものが最初だそう。

現在ではタヌキの生産比重は3%程度だそうですが、今や信楽焼の代名詞となっています。

信楽焼は昭和51年(1976年)に国から伝統工芸品の指定を受け、平成29年(2017年)には越前焼・瀬戸焼・常滑焼・丹波立杭焼・備前焼と共に、日本六古窯として日本遺産に認定されました。

今では様々な技法が用いられ、多様な発展を遂げています。

敷地内に窯が見えますが、これは今は窯としては使っておられないようですね。

中にライトがつき、テーブルと椅子があってカフェのようになっている所があり、お茶をしているカップルが見えました。

窯

ちょうど1か月経ったころ、完成したものが届きました。

粘土だけの時には気がつかなかった、手直ししたくなるような所が多々ありますが、初めてで満足のいくものができたら進歩はないということで。

でもこの緑の釉薬のかけかた、良いかも。素敵にしていただけました。

その他の所はレンガのような赤です。

ミニ観葉の鉢カバーでも良いかもしれませんね。

底の方に安定感があって、花瓶でも大丈夫そう。

うん、マグカップだったら重かったでしょうね。

楽しい体験になりました。皆さんも作ってみませんか。

信楽焼完成

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