飛騨の小京都と呼ばれる高山は、一年のどの季節に行っても良い風情。
近頃はすっかり街になってきましたね。
それでも古い町並みや伝統の高山祭、山里の暮らしぶりがわかる飛騨の里など、まだまだ魅力的な所はたくさんあります。
山に囲まれた土地では紅葉の時期はもちろん良いのですが、木の葉が落ちていよいよ冬という時期、これがまた良いのですよ。
筆者的には一番高山らしい季節ではないかと思っています。
雪で閉ざされる前に冬支度をしたり、屋内で手仕事をしたり、例えばお正月の準備に心がわくわくした子供の頃のような感覚も。
そんな昔懐かしい高山らしい体験や、主に高山市中心部で楽しいクラフト体験ができるところをご紹介します。
さるぼぼ工房は気軽に楽しめます
ホテルのお土産売り場の一角ですが、さるぼぼや吊るし雛を作ったり、塩せんべいを焼いたりと、簡単な体験ができます。
国道41号とせせらぎ街道の交差する「上岡本町南交差点」を東に進んですぐに高山グリーンホテルが見えて来ます。こちらに併設されている飛騨物産館内にあります。
営業時間 平日9:00~17:00 土日祝9:00~19:00
年中無休
塩せんべい作り
塩せんべいは昔ながらの高山の名物。
サクサク軽い、ほんのりとした素朴な塩味は全く飽きが来ません。
こちらではこんなほっこりしたカマで簡単に焼くことができます。
5枚で550円(税込)、所要時間は15分ほどです。
右側に置いてある細い棒のような金具に挟んで一度焼き、熱いうちに平らに押さえて、最初の挟み跡と垂直に挟み直してまた焼く、という工程でした。
米粉の生地にあらかじめ適量の塩味が練りこんであるので、他の地方でよく見るような、焼いてしょうゆを塗ってまた焼いて、はしません。
できたものがこちら、やや焦げ!
平均的に焼くのは意外に難しいです。
さるぼぼ作り
飛騨高山といえばさるぼぼ。
赤ちゃんのことをぼぼと言い、猿の赤ちゃんという意味で、子どもたちに作ったのが始まりです。
子どもたちの成長や健康を願う縁起物として、今ではピンクや黄色など風水の色と結びついたものも登場しました。
こちらではさるぼぼ作りの30分コースと60分コースがあり、どちらもキットから作れるので簡単です。
30分コースでは針と糸は使わないので、小さいお子さんでも安全。
前掛けに好きな字を書いたり、願い事を書いた紙をさるぼぼが下げているお守り袋に入れます。
60分コースでは、針と糸を使用し、終了すると日付入りのさるぼぼ教室終了証がもらえます。
30分コース 1,500円 60分コース 1,800円
吊るし雛作り
さるぼぼだけでなく、吊るし雛も作れます。
こちらも、店頭にあるちりめんでできた飾りを4~5個程度選び、紐に通すだけなので簡単です。
吊るし雛も子供の成長や幸福を願って作られたもので、飾りのそれぞれに意味があります。
どんな組み合わせで作るか考えるのも楽しみの一つですね。
桃=長寿
猿っこ=厄・災い・病が去る
唐辛子=悪い虫がつかないように
巾着=お金に不自由しないように
他にもフクロウや干支の動物等を吊るしてもOK。
基本料金が1,500円で、選ぶ飾りによっては追加料金が発生します。
干支など手の込んだ飾りほど、やはり値が張りますが、巾着や珠などを挟めば予算内も可能です。
所要時間 15分
飛騨高山まちの体験交流館で、いろいろなことに挑戦
一見飲食店のような外観なので、看板がなければ見過ごしてしまいそうですね。
古い町並みからすぐの上一之町にある「飛騨高山まちの交流館」は歴史的建物を活用した、高山市が運営する施設なんです。
こちらでは伝統工芸の実演が見られたり作れたり、いろいろな体験ができます。
一部写真は飛騨高山まちの体験交流館の公式サイトからお借りしました。
営業時間 9:00~19:00
年中無休
入館無料 体験料は別途
予約可能 電話・FAX・WEBサイトから 当日受付も可
一位一刀彫実演見学
イチイは常緑針葉樹で、秋には赤い実をつける、美しい木です。
このイチイを用いた一位一刀彫は、飛騨地方特に高山市の伝統工芸品として有名です。
イチイの木目を生かすために、一切の彩色はしません。
一位の名は、その昔仁徳天皇即位の笏をこの木で作り献上したところ、あまりの美しさに正一位を賜ったことから名づけられたとのこと。
残念ながら、現在実演見学のみで、体験はお休みです。
再開されたらちょっと彫ってみたくなりますね。
見学は無料
有道(うとう)しゃくし作り
しゃくしの形はできていますので、すくう部分を特殊な刃物で削っていきます。
体験料2,500円 所要時間30~60分
竹ランプ作り
竹とデザインを選び、ドリルで穴をあけてランプシェードを作ります。
幻想的で素敵ですね。
体験料3,000円 所要時間1時間
組紐づくり
丸台を使って「飛騨高山の六つ組」という、全国でもここでしかできないという特別な組み方の組紐が作れます。
さらに完成した紐の他にもう1本、飾り紐と絵葉書がもらえます。
体験料2,200円 所要時間20~30分
さるぼぼ作り
さるぼぼキットを使って作ります。願い事を書いた腹掛けを付け、ちゃんちゃんこを着せてお守りを下げます。
6㎝サイズ(小)1,800円 15㎝サイズ(大)2,200円 所要時間20~30分
日替わりイベント・季節限定イベント
他にもいろいろなイベントが毎日用意されています。楽しそうですね。
体験料はイベントごとに異なります。
土人形などの絵付け 小さなもの500円~ 土人形1,500円
筆ペン文字アート 15分コース800円 30分コース1,200円
絵馬の色塗り 1,000円
宮笠の材料(ヒデ)で人形つくり 馬・カエル500円 鳳凰700円
それ以外にもいろいろ。
参考に2024年1月のイベント情報を載せておきますね。表部分をクリックすると拡大できます。
その後のイベントは飛騨高山まちの交流館公式サイトのイベント情報で確認してください。
季節限定でクリスマスツリーやリースが作れました。
好きなオーナメントを選んでグルーガンで貼り付けます。
ちなみにクリスマスリースやツリー作りは1,500円でした。
夢工場飛騨は、塩せんべいの本格的工場でした
塩せんべいの専門工場。外観と内観の雰囲気が、良い意味で裏切られます。
このギャップもなかなか面白いですよ。
高山駅から徒歩20分の、ちょっと離れた場所ですが、人気の施設です。
伺った時は既に7名様のグループが手順の説明を受けておられるところでした。
そして筆者が説明を受けている時に、次のグループが入って来られました。
カマは本当に昔の工場のような、「本気で焼くぞ!」といった感じのカマ。
それだからこそ、人によって焼き加減が変わり、難しいけど面白い体験になる気がします。
教えてもらった通りにやっているつもりでもうまく膨らまなかったり焦げたりして、なかなかプロのようにはいきません。
表の「大爆笑」の看板はこの意味では。大人や子ども、みんなで焼くとさぞや大爆笑⁉
生地もハート形やイカ型など、いろいろな形があって面白いです。
筆者は5枚を自分で焼き、あらかじめ先生が焼いたもの2枚と味比べをするコースにしました。
左の2枚が先生が焼いたものです。さすがに焼け具合がきれいですね。
美味しさは変わらない、ことにしてください(汗)。
体験料 7枚 400円
営業時間 10:00~16:00
年中無休
飛騨高山思い出体験館では、十種類以上の体験が可能
飛騨民族村・飛騨の里の前にある、さまざまなクラフト体験のできる施設です。
予約は不可。当日受付順です。
体験メニューの写真は思い出体験館の公式サイトからお借りしました。
営業時間 10:00~16:00
定休日 木曜日(春休み・夏休み・冬休み等繁忙期は無休)
木ホルダー・木パズル作り
イチイやヒノキ・ホウノキなどの端材を利用してキーホルダーやパズルなどを作る、エコ体験です。
体験料各1,600円 所要時間40分
パズルはいろいろな木目を活かして組み合わせます。壁掛けや花台にも。
素焼き絵付け
素焼きの龍(2024年の干支)や招き猫、さるぼぼ型の土鈴などに、絵付けをします。
大きさにより800円、1,300円、1,600円があります。
所要時間は40分。
さるぼぼ作り
好きな色のキットを選んで、針と糸で頭と胴を縫い合わせるところから始め、腹掛けや頭巾を付けます。
体験料1,700円 所要時間40分
塩せんべい作り
テーブルの上に載る、ほっこりしたカマクラ風のカマです。
塩味としょうゆ味ができ、8枚800円です。所要時間は15分ほど。
組み紐作り
飛騨地方を舞台にしたアニメ映画から人気になりました。
丸台を使って作ります。天気の色・すずめの色・カタワレ時など5種類の色から選べます。
体験料1,600円 所要時間30分
思い出体験館の体験メニューはこの他にもたくさんあり、スノードームや万華鏡、ビーズストラップ、フォトフレーム、タペストリー、お手玉さるぼぼ、花ぼぼ飾りなどが作れます。
飛騨の里で、昔懐かしい体験ができる
飛騨の山村がまるごと博物館になっている「飛騨の里」。
実際の古民家で、一位一刀彫や機織り、畑作、菜洗いや漬物作りなどの実演が見られます。
1年を通して毎月何らかのイベントがあり、紺谷家・富田家等の古民家で、わら細工や刺し子などが体験できます。
12月にはお正月のしめ飾りを作る体験もありました。
実演の見学だけでも良いのですが、ぜひ古民家で実際に体験することをおすすめします。
後述の陶芸体験もそうですが、なにしろロケーションが良いんですから。
予約なしで見学・体験ができるとありますが、日曜日のみや土・日・祝など日にちが決まっているものがほとんどなので、事前に確認した方が良いでしょう。
別途体験料のかかるものがあります。飛騨の里公式サイトでご確認ください。
開館時間 8:30~17:00
年中無休
入館料 700円
駐車料金 300円
手回しロクロ等の陶芸体験
筆者は紅葉が過ぎて、散り積もった落ち葉と裸木が美しい時期に伺いました。
古民家の紺谷家に上がって作業をします。
飛騨の里入館料とは別に体験料がかかります。
磁器の絵付け 1,500円 所要時間30分
手回しロクロ(手びねり) 2,000円 所要時間30分
電動ロクロ 3,000円 所要時間1時間
この日は初めての絵付けを体験しました。
素焼きのお皿に鉛筆で下書きをし、あらかじめ溶いてある絵の具で絵柄を描きこみます。
伺う前になんとなく考えていた和風柄から、見本帳を参考に変更したら、図らずもクリスマスのような柄に。
でも気に入っているんですよ。
何と言ってもロケーションがとても良いんです。
古民家の板の間に座って絵付けをするんですが、ガラス戸の向こうは晩秋の落ち葉の散り敷く山里です。
良い雰囲気でいつまでもここに居たいような、ドラマの中の陶芸家になったような気分。
…本物の陶芸家さんごめんなさい。
作業自体は30分かかるか、かからないかです。
焼きあがって届くまでに3か月ほどかかりますが、忘れた頃に届いて思い出がよみがえり、2度楽しいです。
先に来ておられた方は手びねりで作陶しておられました。
本格的に陶芸をやってみたい方は電動ロクロのコースでも。
営業時間 10:00~16:00
定休日 火・水・木・金曜日
まとめ
高山市中心部のクラフト体験を中心にご紹介しました。
どれも1時間以内で、気軽に体験できますね。
ご紹介したほとんどのものは季節や天候を選びませんので、高山旅行をじっくり楽しむために、組み入れてみてはいかがでしょうか。
この他にも果物狩り・釣堀や魚つかみ・パラグライダー・スノーラフティング・乗鞍岳のトレッキング・飛騨の絶景写真撮影ガイド等々、挙げるだけでもワクワク。
これらは市街地から少し離れていたり、ちょっとした時間と費用が必要なものもあります。
高山市って広いんですよ。
高山市内でこれまでに体験したものについては個々に記事にしましたので、そちらをご覧ください。
釣り堀体験は【岐阜・高山】観光地にも近い鱒蔵で池釣り体験
星空観賞便で満天の星を見た/2020年新穂高ロープウェイにて
これからも体験、ご報告しますね。
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