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【MCI】認知症とは異なる、軽度認知機能障害の時期

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MCI、または軽度認知機能障害というのを聞いたことはありますか?

健常と認知症の中間にあたる期間の呼び名です。

正常老化である「もの忘れ」と「アルツハイマー型認知症」は、忘れ方が違うと書きました。

この3つの症状は、それぞれ別物なんでしょうか。

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認知症とは区別すべき

もの忘れ→MCI→認知症と、段階的に進むのではなく、境目のないグレーゾーンであり、引き返すことも可能なゾーンです。

認知症の定義においては、「独居に手助けが必要かどうか」が境目となっていますが、MCIは独居が可能なレベルです。

つまり軽度認知機能障害は、グレーですがまだ正常老化のうち。

MCIの定義

簡単に言うと、「健常者に比べていずれかの認知機能が以前よりも低下しているが、認知症とは言えない状態」のことです。

米国精神医学会のMCI診断基準を要約すると、

1.本人・家族の訴え又はかかりつけ医による情報、又は標準化された認知テストの成績により

  1つ以上の認知領域でわずかな低下が明らか

  (注:記憶学習、実行、言語、運動-感覚、注意、社会脳の6つの領域)

2.認知障害があっても日々の生活の独立性を妨げるものではないレベル

  (支払い、内服管理などが可能で、手助けなしに独居できるレベル)

3.せん妄によるものではない

  (注:意識障害の一種 その原因・誘因を取り除けば消失する 古くは認知症の周辺症状とされていた)

4.うつ病や統合失調症などの精神疾患ではうまく説明できない

こうなります。

MCIから認知症へは、年間約1割が移行するので、MCIは認知症予備軍ととらえられています。

ただしこのステージで身体活動を増やしたり、他人との交流を増やすなどライフスタイルを改善すれば、認知症への移行を遅らせたり一部は健常に戻るので、MCIがすべて認知症になる訳ではありません。

ちょっと希望が持てますね

加齢に伴うもの忘れと認知症のもの忘れ

加齢に伴うもの忘れは正常な老化です。

「軽度認知機能障害」もその中に含まれています。

認知症とどう違うのかは下の表を見て下さい。

分 類        加齢に伴うもの忘れ        認知症のもの忘れ
エピソード
(出来事)
・部分を忘れる
 (おかずの種類を忘れる)
・大切でないことを忘れる
・その日の出来事を振り返ることができる
・全体を忘れる
 (食べた事自体を忘れる)
・大切なことを忘れる
・数分で出来事を忘れる
ニュース概要を覚えている他人事なのですぐに忘れる
再 認できる
(伝言の伝え忘れを指摘されたとたんに思い出す等)
できない
(伝言の伝え忘れを指摘されると「そんな話は聞いて
いない」と怒ったりする等)
再 生
(思い出す)
とっさに思い出せなくても、記憶には残っており、後
で思い出せる
記憶に残っていないので、ずっと思い出せない
健忘の自覚自覚している自覚が乏しい

早期発見・早期治療のために

正常老化のもの忘れでも認知症の超早期のこともあります。

そこが難しいところです。

短期間に回数が増えた等、気になったらかかりつけ医に相談するか、精神科・神経内科・脳外科などの専門の医療機関を受診しましょう。

もしそうと診断されなくても、これをきっかけに予防活動を始めても良いです。

軽度認知機能障害の段階で治療や予防活動をすることは非常に重要です。

もし認知症を発症しても、進行を遅くすることはできるんです。

予防法のいろいろ

●身体活動(運動)

●低栄養に注意する

●飲酒は適量に

●生活習慣病はきちんとコントロールする

●口腔の健康を保つ・よく噛む

●質の良い睡眠

●豊富な社会交流

●知的活動

予防効果が最も明らかなのは身体活動(運動)です。

認知症発症後も、身体活動が進行を遅らせます。

これらはフレイル予防とも重なります。

フレイルとは、筋力や精神面が衰えている状態、こちらも健常と介護の中間にあると書いたものです。

ぜひ早めの予防活動を。

認知症の定義とタイプ別特徴・判断のポイント についての記事はこちら

認知症になるとどんな感じ…? よかったらこちらも読んで下さい。

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