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【奈良】花の御寺、長谷寺の牡丹は満開。

長谷寺キャッチ
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長谷寺と言えばやっぱり牡丹。

2026年のぼたんまつりは4月18日(土)から5月10日(日)。

ということで桜に続き、牡丹の長谷寺を訪れました。

牡丹の花って筆者も大好きですが、あまりにあでやかでなんとなくお寺のイメージとは合わなさそうな気がして、今一つ不思議でもあったんですね。

でも、長谷寺には馬頭夫人めずぶにんという古代中国の女性の故事があるそうなんですよ。

一見とっても世俗的なお話なんですが、考えてみればそれがかえって仏教らしいと言えば、仏教らしいかも。

でもやっぱり、なぜ牡丹。

筆者的な興味とともに、有名な登り廊や満開のぼたん回廊を満喫して来ました。

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筆者が訪れたのは4月24日(金)の午前9時半。

桜の時期に訪れた時にはなかった幟や、「長谷寺本尊御影大観音大画軸」を写した懸垂幕などが張られ、荘厳な仁王門も華やいだ感じがします。

ぼたんまつりのさなかでもあり、記念法要も始まるため駐車場の心配があったのですが、初日の早い時間でもあり、仁王門に近い長谷寺境内駐車場に車を停めることができました。

そうそう、早朝小雨が降っていたので、皆さんの出足が鈍ったせいもあるかも。

それでも桜の時とは違って、この時間にはかなりの台数が停まっていましたね。

この日から28日までの連日、開山1300年を祝う、様々な記念法要が行われます。

翌25日(土)は西国三十三所の御山主(住職)約100人が集まる記念大法要があるとか。

26日(日)には牡丹献花祭といって、僧侶や稚児、馬頭夫人、龍舞りゅうまい(布製の龍が珠を追いかける舞)等が門前町を練り歩き、牡丹の花をご本尊に献上する祭が催されるそうです。

桜の時期に周辺駐車場のご紹介をしましたが、ぼたんまつりのピーク時、牡丹献花祭の日には遠くの駐車場に停めるか、公共交通機関を利用した方が良さそうです。

関係者の数に一般観光客の数も加えると、想像するだけで物凄く混雑しそうですもんね。

公共交通機関

  名古屋方面から

     近鉄大阪線長谷寺駅下車 徒歩15分

  大阪方面から

     近鉄大阪線長谷寺駅下車 徒歩15分

     又は

     近鉄大阪線又はJR桜井線(万葉まほろば線)桜井駅下車のりかえ

        奈良交通バス長谷寺参道口下車 徒歩10分

お寺側のおすすめルートに30分コースと40分コースがありますが、桜の時期に筆者はフリースタイルで見て回り、1時間20分を要しました。

今回は40分ルートの奥の院方面には牡丹はなさそうだったので、30分の方で。

それでも写真を撮ったりお参りをしたりでよく立ち止まるので、45分はかかりました。

【奈良】初めまして桜の長谷寺 駐車場・所要時間と見どころをご紹介 をご覧ください

長谷寺の牡丹は150種、7,000株あるのだそうです。

ビューポイントは、下の境内地図では簡略化してありますが、総受付を過ぎたらすぐに咲いているのが見られ、仁王門周辺から登り廊の両側がずーっと牡丹園になっています。すごいすごい。

ぼたん回廊はさらに。

登り廊の最初の曲がり角から開山堂に向かう石段が「嵐の坂」で、ここに牡丹の鉢植えがずらりと並べられます。

登り廊の登り始めは石段の高さがとても低く、傾斜が緩やかなので、登るのも大変ではありません。

そうそう、この画面の左側に柱の間が開いていて階段が見えていますね。

ここが桜の時期にびっくりした、あの急坂ですよね。

今回も筆者は遠慮させていただきましたが。

登り廊の両側に牡丹園があり、たくさんの地植えの牡丹が咲いています。

牡丹ってね、芽を出すための肥料や花後のお礼肥など、たくさんの肥料が必要なんですって。

牡丹のお世話だけでも大変そう!

途中には着物レンタルとカフェもあって、今どき!でした。

嵐の坂に並べられたたくさんの牡丹の鉢は、周囲の緑と和傘の色も相まって、きれいの一言です。

牡丹園の露地植えの牡丹は、温暖化によって年々開花が早くなり、近年は4月いっぱいでほとんどの花が咲き終わるのだそうです。

筆者が訪れたのは公式HPに「ぼたん回廊を23日から始めます」と載った翌日。

以前の写真を見ると、登り廊にも鉢植えが置かれるようなんですが、この日は嵐の坂だけでした。

記念行事でたくさんの人が通るので、通行優先かな。

まだまだ登り廊の周囲にある地植えが咲いてますし。

こちらは嵐の坂の手前にある、三部権現社の石段から見た下の廊と牡丹園の様子です。

この日筆者は遭遇しませんでしたが、嵐の坂のぼたん回廊を写真に収めようと、ちょうど人が立っている繫屋の所に人だかりと行列ができるのだそうです。

平日早めだと大丈夫そうですが、やはり土日などは殺到するようですね。

登り廊は上の廊にもなると、少し傾斜が強くなり、石段の高さが少しだけ高くなってきます。

まあ、休み休み行きましょう。

そんなに長い距離ではなく、すぐ先に愛染堂の屋根が見えています。

登り廊の脇にある常夜燈も新緑に囲まれて美しいです。

本堂はそれ自体が国宝になっています。

中は撮影禁止なので写真でご紹介できませんが、真ん中の通路を進んでいくと、右側の正堂に礼拝口があって、10m超のご本尊「十一面観音菩薩像」の上半身が拝めます。

本当に大きく、金色に輝いていて、上半身だけでも感動ものでした!

仁王門前の看板にあった「御本尊大観音特別拝観」は、通路入り口のすぐ右にある本堂受付で受け付けてもらえます。

普段は入れない本堂の中に入り、おみ足に触れてお参りできます。

別途1,000円必要です。

特別拝観記念の御朱印もこちらの受付でどうぞ。

舞台に回って振り返ると、本堂には晴れやかな五色幕が掲げられています。

桜の時期にはなかったので、これはこの日から始まる記念法要のためなんですね。

それぞれの色にも深い意味があり、仏教の教えや人々の願いなどを象徴しており、五色幕を掲げることで仏様への敬意も表しているんですって。

そして眼下を見ると修復中の本坊や、少し右に振れば五重塔も新緑の中に見えます。

写真の真ん中にある天狗杉には、小僧時代に修行嫌いだった大僧正が、今の自分になれたのも天狗のおかげと言って、伐採する筈の杉を天狗のために1本だけ残したというお話が残っています。

舞台から本堂の入り口に戻る通路の途中で撮ったのが下の写真。

本堂から降りたところで、嵐の坂を上から見ることができます。

御守授与所、お土産処を過ぎるあたりで仰ぎ見ればしゃくなげが咲いています。

その向こうには修復中の五重の塔が。

さらに階段を降りると、別の牡丹園がありました。

牡丹の背景にはおおでまりも咲いていて、きれいでした。

牡丹がうつむき加減なのは、早朝に雨が降っていたので、頭が重いのです。

牡丹に誘われてここまで来たら、桜の時に気がつかなかった、また別の急坂発見!

ここも登り廊とつながっていました!

今でこそ手すりがありますが、これ、大昔はなかったのでは? すごいですね。

お気をつけて!

長谷寺の創建は8世紀前半とされており、牡丹のいわれは9世紀までさかのぼるそうです。

唐の皇帝の側室である馬頭夫人めずぶにんが、容貌を苦にして日本の長谷寺におわす観音菩薩に祈願し、容姿端麗となることができたお礼に牡丹を献上したというお話。

何とも世俗的な故事に思えますが、それだけで終わる話ではないんですね。

ちゃんとためになる法話にもなってます。

それに牡丹は中国文化においては特別な花なんですよね。

馬頭夫人の容貌は顔が長く、鼻の形は馬に似ていましたが、情の深い奥ゆかしい方だったので、皇帝は他のおきさきに心を移すことなく寵愛されました。

他の数多くのおきさきたちはそれを妬み、花盛りの日中に宴を催し、馬頭夫人の容貌を晒して皇帝との仲を裂こうと策略をたてました。

宴まで日にちがなく、困った夫人は医師や仙人に相談しましたが、薬や仙術の及ぶところではないため、神仏に祈るべきと言われました。

そして日本の長谷寺におわす観世音菩薩様こそ極位の菩薩様であると教えられ、夫人は教えに従って道場を設け、はるか遠くから真心を込めて祈願しました。

すると七日七夜を経た暁に、夢とも現実ともつかぬ中で紫雲に乗った尊い僧が現れ、夫人の顔に霊水を注いだように思われたため鏡を見ると、それは美しく威厳のある顔立ちに変わっていたそうです。

肝心の宴では皆がこぞって馬頭夫人を賛美し、妬んでいたおきさきたちもかえって仲睦まじい付き合いをするようになって、ますます皇帝の寵愛も深まったとのこと。

馬頭夫人は長谷寺の観音様のおかげと喜び、種々の宝物を摘んだ小舟に長谷寺に届くよう銘文を刻み、自身はいつか伽藍を守護する護法善神となって観音様に奉仕し、衆生に恵みを施すとの誓いを立てて海に送り出しました。

贈り物が無事長谷寺に届いたころには馬頭夫人はすでに亡くなっていましたが、護法善神となって数々の霊威を現したのだそうです。

言い伝えでは馬頭夫人の贈った宝物の中に牡丹の種があり、現在の境内を飾る牡丹はこの故事によるのだそう。

長谷寺は神名帳に名を入れ、境内に社を造って馬頭夫人を祀ったとのことです。

一般に牡丹は8~9世紀頃に薬木として渡来したとも言われており、今でも漢方薬として主に婦人科系疾患に用いられるそうです。

薬と言えば長谷寺の近くの宇陀市は日本最古の薬狩りの地でもあるし、このあたりも何らかの関係があるのかもと個人的には思っていますね。

そして牡丹は中国文化においては単なる花ではなく、富や繁栄、愛情、名誉、社会的地位の象徴であり、それは現代日本人の思う花言葉以上の重みを持っているようなんですね。

9世紀という、唐風文化が発展した時代の話でもあり、唐からそれが贈られたというのは、単に一女性のお話以上のものがある気もします。

ちょうど9世紀中頃に長谷寺は「官寺」と認定されているので、いわゆる寺格、格式が高いという意味の逸話なのかもしれません。

古い古い時代から長谷寺は、十一面観音菩薩様を始めとし、山内全域が素晴らしい所とアピールする必要があったようにも思うんですよね。

長谷寺は「枕草子」や「源氏物語」にも登場し、平安中期以降は観音霊場として貴族の信仰を集め、その後武士や庶民にも広まったとか。

現在、十一面観音を本尊として長谷寺を名乗る寺院は、鎌倉の長谷寺を始め全国に240ほどあるそうで、区別のために「総本山長谷寺」と呼ぶそうです。

筆者の憶測はその辺のすみに置いといて、花の御寺を楽しみましょう。

今降りてきた石段を振りかえると白い姫空木ひめうつぎや咲き始めたつつじが見えます。

牡丹は本坊に向かう参道にもたくさん植えられており、その上には八重桜も咲いていました。

今朝の雨で和傘の上には八重桜が散り、傘の模様みたい。

向かいの高台には本堂が見えます。

広い境内にいろいろな花は咲いていますが、やはり圧巻は牡丹。

花の王というだけのことはありますね。

筆者は一生分の牡丹を見た思いがしました。

とはいえ、また来年、見たくなるんでしょうけどね。

来年もきれいに咲いて下さいね。

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